症状
典型的な蕁麻疹(じんましん)は、蚊に刺された後のように「膨れた赤または淡いピンクの盛り上がった」もの(膨疹:ぼうしん)をいい、よく「みみず腫れ」と表現されています。盛り上がりの形や大きさは様々です。かゆみはとても強く、1つの盛り上がりが数時間(長くても48時間以内)に跡形もなく消えてしまうのが特徴です(このとき、体のどこかにかゆい盛り上がりがあってもかまいません)。1週間以上続く、または消えた後に色を残したりする場合、蕁麻疹以外の病気を考える必要があります。
蕁麻疹は、一般に4週間を境に急性と慢性とに分けられています。4週間以上にわたって繰り返す時は慢性、それより期間が短いものを急性蕁麻疹と呼びます。急性蕁麻疹の場合、喉のような柔らかい場所にも同じ症状が起こり、息苦しくなるため、専門医による治療が必要なことがあります。
そのほかに特殊な蕁麻疹として、クインケ浮腫(唇に腫れてしまう蕁麻疹、症状が一週間以上続くもの)、食事依存性運動誘発性アナフィラキシー(特定の食べ物を食べた直後に運動することにより引き起こされる顔色の変化、息苦しい感じ、くしゃみ、血圧低下の状態)があり、注意することが大切です。
図
原因
薬、物理的刺激、ばい菌、ウイルス、食事、寒冷、日光、ストレス、胃炎、接触蕁麻疹などたくさんあります。原因を1つに絞ることができないことも多いです。
診断
紅色描記症(皮膚を強くこすることで出てくる盛り上がりのこと、人工蕁麻疹ともいいます)
治療
アレルギーを抑える薬で治療します。特に慢性の場合は症状が長引くことが多いです。
生活上の注意
急性の場合は比較的原因を特定しやすいですが、慢性蕁麻疹の場合、可能な限り原因を探し、原因となるものを避けていくことが大切です。食後すぐの運動は避けてください。蕁麻疹の特徴を持つような症状が現れたら、早目に専門医の治療を受けると慢性化する可能性を少なくすることができます。
慶應義塾大学病院での取り組み
特殊な蕁麻疹、食事依存性運動誘発性蕁麻疹の原因をアレルギー外来で検査し、必要に応じて入院の上、検査を行います。
文責:
皮膚科
最終更新日:2018年2月22日