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遺伝性乳がん卵巣がん症候群

いでんせいにゅうがんらんそうがんしょうこうぐん

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概要

家系内に乳がんや卵巣がんになった方が多くいる場合、遺伝性乳がん卵巣がん症候群 (hereditary breast and ovarian cancer: HBOC)の可能性があります。
HBOCはBRCA1またはBRCA2(BRCA1/2)という遺伝子の変化(変異)をもっていることが原因です。BRCA1/2の遺伝学的検査を行うことで、本人や血縁者に対してがん予防策や早期発見のための検査を検討することが可能となります。

症状・診断

遺伝性乳がん卵巣がん症候群の診断はご本人の症状のみからは判断できず、BRCA1/2の遺伝学的検査によります。BRCA1/2の遺伝学的検査は保険診療となる場合と自費診療となる場合があります。
BRCA1/2検査は一般と同様の採血により判定して、結果が出るまでに約1か月かかります。

治療

BRCA1/2検査をする目的は、結果を「がん予防」につなげて、「がんによる死亡を減らす」ことです。卵巣がんに対する最も確実ながん予防法は、リスク低減卵管卵巣摘出術(risk-reducing salpingo-oophorectomy: RRSO)です。RRSOはがん発症リスクを下げて、卵巣がん・乳がんによる死亡率を改善するのみならず、全ての原因による死亡率を低減できることが判明しています。またPARP阻害薬という内服の抗がん剤の使用を判断する場合にBRCA1/2検査の結果が役立つ場合もあります。

慶應義塾大学病院での取り組み

慶應義塾大学病院では遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)センター外部リンクを設置して、診療科横断的なHBOC診療を実施しています。詳しくはあたらしい医療「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)センター 〜患者さんとご家族に合ったHBOC診療をお届けするために〜」をご参照ください。

当院産婦人科では、BRCA1/2遺伝子変異保持者に対するRRSOを、保険診療および倫理委員会の承認のもとで自費診療としても行っています。また臨床遺伝学センター外来(水曜午前:予約制)外部リンク 、卵巣腫瘍外来(水曜午後)を開設していますので、乳がんや卵巣がんにかかった方、血縁に乳がんや卵巣がんが多くいる未発症の方ともに不明点があればご連絡ください。
さらにRRSO後の卵巣欠落症状、更年期症状については女性健康維持外外来(月曜日午後:予約制)外部リンク でもフォローアップいたします。

さらに詳しく知りたい方へ

  • 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)をご理解いただくために(Ver.2022_2)外部リンク (一般社団法人 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 JOHBOC)
  • 遺伝性婦人科癌 : リスク・予防・マネジメント / カレン H.ルウ編集, 青木大輔監訳 東京 : 医学書院, 2011.11
  • Clinical utility of a self-administered questionnaire for assessment of hereditary gynecologic cancer. Masuda K, Hirasawa A, Irie-Kunitomi H, Akahane T, Ueki A, Kobayashi Y, Yamagami W, Nomura H, Kataoka F, Tominaga E, Banno K, Susumu N, Aoki D. Jpn J Clin Oncol. 2017. DOI: 10.1093/jjco/hyx019

文責: 婦人科外部リンク
最終更新日:2023年8月31日

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