点眼液・眼軟膏は、一般的には、抗菌薬、抗生物質、抗アレルギー薬、抗炎症薬、ビタミン類などを含有し、結膜嚢*に適用する無菌の外用剤です。
*結膜嚢とは、
結膜は、眼球と眼瞼を結びつける粘膜で、前部強膜および眼瞼の内面を覆っています。結膜全体を嚢状体とみなして結膜嚢といい、点眼液の貯留場所となり、眼の生理上重要な役割を果たしています。
点眼液の使い方
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眼軟膏の使い方
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保管の注意
目薬は冷蔵庫に保管しないといけないの?
特別な指示がない場合は、ほとんどの点眼薬は室温(1℃~30℃)で保存ができます。冷蔵庫に入れないほうがいい点眼薬もあり、例えば花粉症治療に使われるリザベン点眼液は長期間冷蔵庫に入れておくと結晶が析出するため、冷蔵庫へ入れることは推奨されていません。
添付の袋に入れておかないといけないの?
点眼薬の成分には、光に対して安定性の悪いものがあります。室内の照明の光であれば添付の遮光袋に入れておけば心配いりません。添付の袋がある点眼薬は、袋に入れて保管してください。
開封した点眼薬はいつまで使えるの?
点眼容器に記載されている使用期限は開封前の使用期限です。開封後1ヶ月を過ぎたら使用せず、新しいものを開封してください。1ヶ月以内でも薬物の中に、開封前の状態とは違う浮遊物や濁りが認められたものは使用しないでください。
家族でよく眼が乾きます。お父さんが処方されたドライアイの薬を使ってもいいの?
処方された薬は、その患者さんの症状に合わせて医師が判断して決めた薬なので、他人が勝手に判断して使用しないでください。特に点眼薬は、感染性のウイルスが薬を介して他人にうつる危険性があるので、処方薬以外の点眼薬も含めて他人に貸したり借りたりしないようにしてください。
2種類以上の目薬が処方されたら?
- 少なくとも3~5分間以上の間隔をあけて投与してください。
一度に2種類あるいはそれ以上の点眼液を併用する場合、連続して点眼すると、先にさした目薬が後からさした目薬により追い出され、また後にさした目薬も先にさした目薬に邪魔されて、充分な濃度・量が投与されなくなります。
リズモンTGなど薬によってはそれ以上の点眼間隔を必要とするものもあります。
点眼液の吸収は極めて良好で通常2~3分で角膜から吸収されます。 - 眼軟膏が処方されているときは、効果の発現が液体の目薬より緩やかで効き目が長いので、最後に塗布するようにしてください。
ソフトコンタクトレンズを装着したまま、目薬をさしても良いですか?
- ささないでください。
- 一般にソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズは多孔性であるため、薬剤や保存剤を吸収して一種の貯蔵庫となり、角膜に薬剤が長時間接触し、目に刺激を与えたり、レンズの性状に影響を与えることがあります。
目薬を溶かしてから使用するものをもらいました。病院で溶かしてもらえませんか?
点眼薬の中には、使用する時まで品質を保つために、薬剤を粉末・顆粒または錠剤の形にしておいて、使うときに溶かして用いるものがあります。使用する前から溶かしておくと効果が落ちてしまうので、患者さんが使うときにご自身で溶かして使用していただくようお願いしています。溶かす際は、溶かし方の説明書をよく読んで、薬剤を完全に溶かしてから使用してください。薬剤の粉末・顆粒または錠剤、薬液には絶対に手を触れないように溶かし、よく振ってから使ってください。溶かした液は冷蔵庫に保管してください。
なぜ点眼後目頭を押さえるといいのですか?
目頭を押さえることによって、鼻腔から消化管へ入って経口投与と同じように吸収され、ステロイド剤やβ刺激剤などによる全身性の副作用を起こすことを防ぐことができます。
文責:薬剤部
最終更新日:2018年3月5日