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歯周組織再生療法

ししゅうそしきさいせいりょうほう

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概要

歯周病は慢性炎症性疾患であるために自覚症状に乏しく、患者さん自身が歯の動揺や歯肉からの出血を自覚したときには歯槽骨の吸収などの歯周組織の破壊が進行している場合があります。歯周組織再生療法は歯を支えている歯周組織(歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨)を再生させる治療法です。

歯周病の治療

歯周病の治療は大きく分けて歯周基本治療と歯周外科手術の2つがあります。歯周基本治療は全ての歯周病患者さんに対して行われる治療であり、歯周病の原因であるプラークや歯石(これらを総称してバイオフィルムともいいます)を除去し、また患者さん自身が徹底したプラークコントロールを行うことで歯周病の症状を改善させるために行います。歯周基本治療では除去しきれない部分(重度の歯周ポケット)のバイオフィルムの除去や、歯周病の結果生じてしまった複雑な歯槽骨の欠損が認められる場合、歯周外科手術が適応になることがあります。
歯周外科手術では歯肉を切開して剥離することで、歯や骨が明確にみえる状態で徹底したバイオフィルムの除去が行われますが、この際に歯周組織再生材料を併用・応用することで失われた歯周組織の再生を促す処置が歯周組織再生療法です。

歯周組織再生療法に用いられる歯周組織再生材料

  1. エムドゲイン®
    歯の発生の際に重要な役割を果たすタンパク質として、エナメルマトリックスタンパク質があります。このタンパク質は歯周組織再生に役立つと考えられており、エムドゲインはこのエナメルマトリックスタンパク質を含んだ歯周組織再生材料です。
  2. バイオオス®
    骨移植材料で、歯周病による骨欠損部位に応用することで、骨成長の促進が期待されます。
  3. バイオガイド®
    吸収性のコラーゲン膜で、バイオオスと共に歯槽骨欠損部分に応用することで、骨欠損内の骨形成の促進が期待されます。
  4. リグロス®
    塩基性線維芽細胞増殖因子と呼ばれる成長因子で、人工的に精製されたタンパク質です。この成長因子の作用により歯周組織の細胞を増殖させ、失われた歯槽骨や歯根膜の再生が期待されます。

慶應義塾大学病院での取り組み

  • 歯科口腔外科外来では、毎週月曜日の午後、歯周病外来を行い、歯周病の患者さんを重点的に治療しています。
  • 歯周病専門医・指導医のもとで、適応症であれば歯周組織再生療法(エムドゲイン、バイオオス、バイオガイド、リグロスの使用)にも積極的に取り組んでいます。

文責: 歯科・口腔外科外部リンク
最終更新日:2017年11月1日

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