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小児の高血圧

しょうにのこうけつあつ

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概要

「小児に高血圧なんて」と思われるかもしれませんが、成人でみられる本態性高血圧(はっきりした原因がない高血圧)は子どもの時からすでに始まっていることが知られています。高血圧は脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病の最も重要な原因であり、早い時期から予防、治療することが大事です。小児の高血圧は成人と異なり、腎臓、内分泌、心臓、神経などの異常が原因であることが多いといわれていますが、実は本態性高血圧が最も多く、しかも肥満の増加に伴い増加しています。

小児の血圧

血圧は年齢、身長、体重に伴って高くなるため、小児では成人より低く、成人のようにひとつの基準値で高い、正常などと決めることができません。小児用の年齢、性、身長別の基準表があり、それを参照して判定します。測定も体の大きさに合ったカフ(腕にまく帯)を選ぶ必要があります。泣いたり、暴れたり、緊張すると高くなりますので低年齢のお子さんでは特に繰り返し測定する必要があります。
健康な小児でも血圧の測定が必要です。何かの機会で受診する際には最低1年に1回は血圧を測ってもらうようにしましょう。

主な高血圧の原因

  • 本態性高血圧
    ご両親、おじいさん、おばあさんが高血圧であったり、ご本人が肥満だと血圧が高くなるリスクが上がります。一般に思春期頃に血圧が高くなりみつかることが多いのですが、太っているともっと若いときに診断されます。
  • 腎臓病
    急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、先天性腎尿路異常、腎盂腎炎、腎動脈狭窄、多発性嚢胞腎などの腎臓病が高血圧の原因になることがよくあります。尿細管異常で血圧が高くなるまれな病気もあります。また腎臓の腫瘍が原因で高血圧になることがあります。
  • 内分泌の病気
    ホルモンが出すぎて血圧が高くなる病気に甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、褐色細胞腫などがあります。
  • 神経
    自律神経の病気で血圧が高くなることがあります。また神経線維腫症という神経を含む種々の臓器に異常を来す病気も腎動脈狭窄、褐色細胞腫、血管症により高血圧になることがあるので、定期的な血圧測定が必要です。脳の病気で血圧が上がることもあります。
  • 心臓・血管
    高血圧になる代表的な病気として生まれつきのものでは大動脈縮窄症、後天性のものでは大動脈が侵される大動脈症候群という病気があります。
  • 呼吸器
    いびき、睡眠時無呼吸症候群は高血圧の原因になります。

  • 治療に使う薬(シクロスポリン、グルココルチコイドなど)、違法ドラッグ、ピルで高血圧になることがあります。
  • 新生児期の病気
    生後すぐ高血圧になる場合は、腎動静脈血栓、先天性腎尿路異常、先天性心疾患、慢性肺疾患など特徴的な原因があります。 また低出生体重(2,500 g未満)で生まれた場合には成長後に高血圧になるリスクが高いことが知られています。低出生体重は高血圧の原因となる慢性腎臓病の発症のリスクも高いため、定期的なフォローが必要です。

検査

血圧が本当に高いのかを診断するには少なくとも3回、機会を別にして測定する必要があります。また確定診断のために24時間血圧測定といって30分から1時間おきに24時間血圧を調べる検査(図)が有用です。5歳以上であれば検査ができます。この検査は白衣高血圧(医療機関でのみ血圧が高い場合)、仮面高血圧(医療機関では正常で院外で高い場合)の診断、臓器障害(心肥大など)の予測にも役立ちます。

血圧が非常に高いときはすぐ血液、尿検査、超音波などで原因を調べるとともに、高血圧により心臓、目、腎臓が障害を受けていないか心電図、胸部レントゲン、エコー(心臓)、尿ミクロアルブミン検査、眼科受診などが必要です。必要であればさらに詳しい検査に進みます。これらと並行して治療を開始することもあります。

治療

原因疾患が見つかればそれぞれの治療を行います。
原因がない場合(本態性高血圧)、肥満があれば減量、減塩(1日食塩5-6g)、ストレス軽減などの生活改善、運動療法を行います。効果がみられなければ薬を始めます。

文責: 小児科外部リンク
最終更新日:2018年9月10日

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