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グルカゴン負荷試験

ぐるかごんふかしけん

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概要

グルカゴンとは

  • グルカゴンとはヒトの体の中で作られる、血液中の糖分(血糖値)を上げる強力なホルモンです。グルカゴンは膵臓(すいぞう)のα(アルファ)細胞で作られます。肝臓で貯蔵してあるブドウ糖のもとを分解したり、アミノ酸からブドウ糖を合成したりして、血糖値を上げる効果があります。また、同じ膵臓のβ(ベータ)細胞から作られるインスリンの分泌を促進したり、成長ホルモンの分泌を促進する効果もあります。

グルカゴン負荷試験とは

  • グルカゴンを体に注射して、その後に起こる体の様々なホルモンの反応を、血液を採って調べる検査です。
  • 一般にご自身の体のインスリンを分泌する能力を検査するために行われます。また成人の成長ホルモン分泌不全症の診断目的に行われることもあります。
  • 糖尿病の患者さんで血糖値が下がり難くなる原因の1つにインスリン分泌が低下することがあります。糖尿病の方の多くはインスリン分泌の低下とインスリンの効果が低下すること(インスリン抵抗性)を合併しているケースが多いですが、糖尿病の中でもインスリン分泌が非常に低下するタイプの糖尿病(1型糖尿病など)があり、この二つでは治療方針が異なってきます。そのためご自身のインスリンを分泌する能力を評価する必要があり、グルカゴン負荷試験が行われます。

所要時間

検査は通常は10分程度で終わりますが、60分程度かかることもあります。

検査を受ける前に

検査は早朝空腹時に行います。前日午後9時以降から検査後まで食事や飲み物を摂ることはできません。

検査の実際

  • 早朝に朝食を摂らずに行います。はじめの採血を行った後、グルカゴンを注射し、その後定期的に採血を行い、血糖値、血液中のインスリンまたはCペプチド(インスリンと同じ量が体の中に放出されるもの)を測定します。
  • 検査開始時とグルカゴン注射後6分後の2回の測定を行うことが多いですが、60分程度の時間をかけて何度か測定を繰り返し行うこともあります。

検査後の注意

グルカゴンの注射によりインスリンの分泌が刺激されるため、糖尿病患者さんではまれに検査後に低血糖(血糖値が低くなること;概ね70mg/dl未満)となることがあります。低血糖症状(空腹感、冷や汗、震え、気分不快など)がありましたら、すぐにブドウ糖(グルコース)を摂取してください。また一時的に頭痛や吐き気が出現することがあります。

文責: 腎臓・内分泌・代謝内科外部リンク
最終更新日:2018年1月29日

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