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脳原発悪性リンパ腫

のうげんぱつあくせいりんぱしゅ

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概要

悪性リンパ腫は通常、血液、リンパ組織に発生しますが、リンパ組織がないとされる脳にも発生することがあります。脳原発(中枢神経系原発)悪性リンパ腫とは、診断時に中枢神経系以外に明らかな病巣のみられない悪性リンパ腫であり、原発性脳腫瘍の約3%を占めます。高齢者に多く、近年増加傾向にあります。

症状

症状は、発生部位による巣症状や頭蓋内圧亢進症状(参照:脳腫瘍とは)のほか、認知能低下などの精神症状が生じやすいことが特徴です。また、まず仮性ぶどう膜炎(眼内リンパ腫)が先行し、1~2年後に脳病変が出現するものもあり、注意を要します。典型的な画像所見を示さない診断困難例もしばしば存在します。

治療

手術摘出率は予後に関係しません。放射線治療、化学療法に対する感受性は高く、多くの症例で1度は腫瘍が消失しますが、再発もまた多く見られる難しい病気です。他臓器原発の悪性リンパ腫に対して使用されるCHOP療法を放射線照射に追加することの有効性は確認されておらず、これらの薬剤が血液脳関門を十分に通過しないことが1つの原因と考えられています(参照:脳腫瘍とは)。現在、多くの施設が大量メソトレキサート療法と放射線照射の組み合わせを第一選択の治療としています。

文責: 脳神経外科外部リンク
最終更新日:2018年3月23日

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