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小児小腸移植

しょうにしょうちょういしょく

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概要

高カロリー輸液で管理できない不可逆性小腸不全の患者さんは栄養をとるすべがなくなるため、小腸移植が適応されます。

小腸移植は1964年に米国で初めて施行されました。当初、小腸移植の成績は不良でしたが、免疫抑制剤の開発により向上してきています。わが国では1996年から生体移植が行われています。

小腸不全は2つに分類されます。1つは解剖学的あるいは外科的な小腸の喪失による短腸症候群であり、もう1つは、小腸平滑筋の障害や腸管固有の神経障害による運動機能不全です。腸から栄養が摂取できない人には、静脈からの栄養摂取により生存が可能となりましたが、長期にわたると敗血症や肝障害などの危険があるばかりでなく、静脈からの血管確保が難しくなり、継続することが出来なくなります。また人間の生きる楽しみの一つである食事をとることが出来ません。

小腸移植には、脳死体ドナーからと生体ドナーからの二種類の移植があります。小腸移植は、全世界において79施設で2611人の患者に対して行われています。そのほとんどは脳死体ドナーより提供を受けています。

術後の免疫抑制にはタクロリムス、ステロイド以外の免疫抑制剤も組み合わせた、多剤併用療法が主流となってきました。

全世界の統計では原疾患は、ほとんどが短腸症候群で、他に小児では腹壁破裂、壊死性腸炎、腸閉鎖症、成人では腸間膜動脈血栓症、Desmoid腫瘍、外傷です。一方、本邦では運動機能障害症例が約半数を占めています。運動機能障害例としては、ヒルシュスプルング病類縁疾患、慢性特発性偽性腸閉塞(CIIPS)、MMIHS(Megacystis Microcolon Intestinal Hypoperistalsis Syndrome)、ヒルシュスプルング病(extensive agangliosis)などの疾患が代表的です。

治療後経過

本邦ではでは2014年2月までに22例に対して25回の小腸移植が施行されています。うち、生体小腸移植は12回、脳死小腸移植は13回行われています。

本邦における移植成績は欧米の成績よりすぐれていますが、1年生存率86%、5年生存率68%、10年生存率68%でした。

小腸移植は他の臓器移植に比べて拒絶反応がおこりやすく、移植後は、頻回の内視鏡検査、グラフトの組織検査を行い、拒絶反応のモニタリングが必要です。移植後2~3年で、経過良好と判断されると、人工肛門を閉鎖します。
移植手術によって、食事をおいしいと感じることができるようになり、高カロリー輸液も不要となると、生活の質は格段に上がります。免疫抑制剤の内服は一生涯必要ですが、ほぼ通常の生活ができるようになります。

文責: 小児外科外部リンク
最終更新日:2014年11月28日

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