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胸腔鏡下交感神経節切除術

きょうくうきょうかこうかんしんけいせつせつじょじゅつ

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概要

交感神経は、頚部から尾骨まで、脊柱の両側にのびる細い神経幹(図1)です。脳からの情報は、この神経幹にまず伝えられ、体の中のいろいろな部位に信号が送られます。交感神経は、外からの刺激やストレスに対処するため、心拍数や血圧を上昇させたり、体温を調節するため発汗を促したりする大事な働きを担います。慢性的な疼痛の中には、一部の複合性局所疼痛症候群など、交感神経の活動が過剰になっていることが原因の一つである疼痛も存在します。

この手術の適応疾患は、上肢の複合性局所疼痛症候群、および上肢の末梢血行障害などが含まれます。内視鏡を使って、胸腔内にある交感神経を切除する方法です。交感神経を切除することによって、発汗や痛みの伝達経路を遮断し、上肢の痛みが軽減します。また末梢血管が開くため、血行がよくなります。

図1

図1

手術の実際

  1. 所要時間
    手術は、全身麻酔下で行われます。全身麻酔時間と手術時間を合わせて、だいたい1時間くらいです。
  2. 手術を受ける前に
    1. 問診、血液検査、胸部レントゲン、心電図などの検査を行います。検査により手術可能と判断された場合、麻酔説明外来を受診してください。
    2. 手術前日は、21時以降、食事や飲み物は、一切控えて下さい。
    3. 手術当日は、朝食はとらないで、午前10時までに入院してください。手術の同意書の記入を確認してください。
    4. 手術は、午後になります。入院後、手術前の点滴を行います。
  3. 手術の実際
    1. 全身麻酔を行います。
    2. 手術は、通常右側のわきの下の皮膚を1cm程度切開することから始めます。
    3. 切開したところから、胸腔内に細い針を挿入し、その針を通して二酸化炭素ガスを送り込みます。このガスの圧力により肺が移動して、肺の下に隠れていた交感神経を内視鏡で見ることができます。
    4. 内視鏡の先端についている電気メスで、交感神経を切除します。
    5. 交感神経を切除した後は、内視鏡をぬき、溜まっていた二酸化炭素ガスを追い出した後、手術の傷を細い糸で縫合します。
    6. 左側も同様に行ったのち、全身麻酔を終了し、覚醒します。
  4. 手術後の注意
    1. 手術室から病棟に戻ってからも、まだ麻酔の影響が多少残っていることもありますので、2時間はベッド上安静となります。
    2. 翌日、胸部レントゲンで、異常がなければ退院となります。
    3. 抜糸は、退院2週間後に外来で行います。
  5. 手術の合併症・副作用
    手術操作によるものと、交感神経が遮断されたことによるものがあります。
    手術操作による合併症としては、術中の出血、傷からの感染、気胸、肋間神経痛、上肢のしびれなどがあります。
    交感神経が遮断されたことによる副作用には、代償性発汗、ホルネル症状などがあります。
    1. 代償性発汗(だいしょうせいはっかん)
      代償性発汗は、この手術を受けた方には、必ず現れる症状です。これは、手術によって減った手の汗を、体の他の部分から分泌して体温調節を行う現象です。特に体幹部(背中、お腹、太もも)からの汗が、手術前より増加します。代償性発汗の程度には個人差があります。代償性発汗は、生涯つづく症状ですので、十分に考えた上で手術するかどうかを決めてください。
    2. ホルネル症状
      通常、この手術では、第2、第3肋骨上の交感神経節を電気メスで切除しますが、電気メスの熱が第1肋骨上の交感神経節まで伝わることが、ごく稀にあります。その位置で交感神経が遮断されると、まぶたが上がらなくなる症状(眼瞼下垂)が起こります。

文責: 麻酔科外部リンク
最終更新日:2014年6月26日

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