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カプセル内視鏡最前線 -内視鏡センター-

1.カプセル内視鏡とは

人体の消化管は大きくわけると食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、大腸に分かれます。一般的な消化管の内視鏡検査には胃カメラと呼ばれる食道、胃、十二指腸をみる上部消化管内視鏡検査と、大腸をみる下部消化管内視鏡検査があります。この2つの検査は一般的に行われており、みなさんもよくご存じだと思いますが、「消化管のうちの小腸の内視鏡検査はないのか?」もしくは、「小腸の検査はしなくていいの?」という疑問が当然わいてくると思います。小腸には食道、胃、大腸と比較すると、頻度は低いのですが、腫瘍や、出血の原因となるびらん、潰瘍など病気があるといわれていました。しかし、その詳細は、よくわかっていませんでした。理由は、口もしくは肛門からの距離が長く、小腸まで内視鏡がうまく入らなかったからです。ところが、西暦2000年くらいを境目にして「暗黒大陸」であった小腸に少しずつ光がさして、小腸の病気がわかるようになってきました。その理由は、ほぼ同時期に2つの新しい内視鏡が発明されたからです。一つ目の内視鏡は、自治医科大学、山本博徳博士により発明されたダブルバルーン小腸内視鏡です。ダブルバルーン小腸内視鏡はファイバーの先についた風船(バルーン)と、オーバーチューブと呼ばれるファイバーの外側に取り付けるチューブの先についた風船を、交互に膨らませながら小腸を手繰り寄せ、折りたたみながらファイバーを深部まで挿入していく画期的な内視鏡です。もうひとつの内視鏡は、今回のテーマであるカプセル内視鏡です。カプセル内視鏡は、イスラエル国防プロジェクトのミサイル電子光学撮像装置の開発中に、休暇でボストンに訪れていたGavriel Iddan博士と、同地の消化器内科医であるEitan Scapa医師が出会い、簡単に飲み込むことができ、消化管を通過しながらその画像を送信するミニチュア「ミサイル」のアイデアを思いつき、それを現実化したものです。図1に実際のカプセル内視鏡を示しますが、11×26mmという少し大きめのカプセル型をした内視鏡で、一秒間に2枚ずつ写真をとることができます。カプセル内視鏡は、消化管の蠕動にのって食道、胃、小腸、大腸を撮影していきます。撮影した画像を電波で飛ばして、体の表面に付けたセンサで受診し、腰に付けたレコーダに情報を記録していきます。実際のセンサ、レコーダーの装着図を図2に示します。水色のセンサは体に直接貼り、服の下に隠れますのでそれほど大きなものではありません。そのため被験者はカプセルが体内を移動している間も日常の活動を行うことができます。カプセルを嚥下して約8時間で撮影が終了し、レコーダーを取り外し、画像データをコンピューターにダウンロードし、画像診断を行います。

図1

図1 カプセル内視鏡

図2

図2 レコーダー

2.カプセル内視鏡の実際

欧米においては、食道用、大腸用のカプセル内視鏡が開発され、臨床の現場で使用されています。日本では小腸用のカプセル内視鏡しか発売されていないため、カプセル内視鏡は小腸をみるための検査になります。よく「胃カメラのかわりにカプセル内視鏡で胃を見てください」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、現状では小腸用のカプセル内視鏡は胃カメラの代わりにはなりませんので注意が必要です。
実際のカプセル内視鏡の動画をVideo1に示します。小腸の絨毛と呼ばれる小さな粒状の粘膜が認められます。通常の内視鏡とちがってある部分を狙って撮影をすることや腸に空気をいれて膨らませて撮影をしていないため病変がうつっていない可能性があります。しかし、飲み込むだけで非常に楽な検査であることは非常に良い点であるといえますし、従来まであった検査と比較して小腸の病気を見つける割合が高く優れた検査であるといわれています。実際の出血を伴うポリープの動画像をVideo2に提示します。短時間しか撮影されていませんが、出血とポリープが認められます。こういったものが見つかった場合は、カプセル内視鏡の撮影時間からおおよその位置を推定し、バルーン内視鏡を使って処置を行います。

Video1
動画をご覧になりたい方は再生ボタンをクリックして下さい。

Video2
動画をご覧になりたい方は再生ボタンをクリックして下さい。

今回は、カプセル内視鏡を紹介いたしました。カプセル内視鏡は原因不明の消化管出血に対して保険適用となっております。現在、当院ではのべ300人以上の方にこの内視鏡を行っております。こういったご病気でご相談の方は、消化器内科初診外来、木曜日午前内科14番 細江外来、木曜日午後内科14番 緒方外来、金曜日午前内科13番 今枝外来を受診してください。

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最終更新日:2010年8月2日
記事作成日:2010年8月2日

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